NLPの源流を旅するセミナー
見えないパールズを追いかけて
「モデリングから生まれたNLP」、「NLPといえばモデリング」こんなフレーズからスタートするNLPにおいて最も不可解なことがある。それは、NLPの誕生秘話の中で、なぜか名前だけで終わってしまう、フリッツ・パールズへの言及である。
三人の優れたセラピストと称せながら、彼の業績について触れられることはほとんどなく、彼の何を優れたものとしてモデリングしたのか、その痕跡をNLPの中に探ることは難しい。他の二人のセラピストたちには、十分な記述とその名前を付けたスキル群が存在する。
一体、パールズの卓越したモデルはどこに反映されているのか?この見えない、彼の何かを知りたくて、私の探求は始まった。
パールズと言えば、ゲシュタルト療法、私が敢えて創始者と言わないのには理由があるが、そのことについては、後に触れるとして、このゲシュタルト療法がどのようなものであるのかを押さえない限り、NLPにおけるパールズの卓越性やスキルについては何も触れることは出来ない。私は、この見えないパールズの存在を探求することには、少なくとも二つの意義があると考えている。
一つは、既に体系化されているNLPのスキル群に、パールズ由来であるにも関わらず、系譜が語られていないものを発見し、明確化するということ。
二つには、見えない形で影響を与えているパールズを見つけること、それは非言語の領域かもしれないし、メタモデルの領域かもしれない、いずれにせよ、仮説にすぎないが、もしそうだとしたらNLPを支える非常に大きな構造(メタの領域)が明らかになるだろう。
見えないパールズを追って、何がどの様に明らかになるのか大変興味深い。そんな探求を掲げながら、時にそれを忘れ、ゲシュタルト療法そのものに浸り、新しい感覚が生まれるのを楽しむのも良いし、そのままゲシュタルト療法に移行してしまうのも一つの手だ。あるいは、自分には必要ないと思うのであれば、手放すことも選択の一つだ。
だから、この学びの講座では、ゲシュタルト療法という呼び方の代わりに、ゲシュタルトアプローチという言葉を使わせていただくことにする。パールズもそうであったように、いろんな実験を自分と他者との間で体験していく、そんな響きがアプローチには存在している。
私も含め、参加者それぞれが実験を体験できる場を作っていき、それを広げていきたい。これが私の希望であり、この講座の大きなコンセプトである。